歴史・神話の町
神代の時代から悠久の時が流れ、
ある時は神話の舞台として、
またある時は戦いの場として、
数々の時代を作り上げてきた安来の町。
連なる山並みに往時の気配を感じながら、
時間の移ろいに身を任せて、歴史の足跡を訪ねる旅。
安来の物語へ、ご案内します。
安来に伝わる神話
出雲地方は日本神話の舞台として知られ、ここ安来にも多くの物語が残されています。出雲国風土記にも記されている、神話ゆかりの古社をご紹介します。
イザナミノミコトを祀る
「比婆山久米神社」
日本最初の夫婦として高天原の神から誕生した「伊邪那岐命」と「伊邪那美命」。二人は日本という国を生み、太陽・月・水といったあらゆる神々を生み出しました。そして最後に火の神が生まれた時、イザナミは大やけどを負って命を落としてしまいます。夫であるイザナギは嘆き悲しみ、イザナミを「比婆山」に葬ります。
そのイザナミの御陵と伝えられるのが、安来市の山あい、伯太町にそびえる標高320mの比婆山。山頂付近にはイザナミを祀る比婆山久米神社の奥の宮があります。イザナミは多くの神々を生んだ母神として、安産・子宝などのご利益があるといわれています。
比婆山久米神社までは登山やハイキングも楽しめるよう道が整備され、展望場所からは安来市街が望めます。
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出雲の四大大神の一つ「能義神社」
出雲の四大大神とは、『出雲国風土記』に記載された神々の中で、「大神」と尊称された神様を言います。
能義神社の御祭神は「能義大神」で、杵築大神(出雲大社)、熊野大神(熊野大社)、佐太大神(佐太神社)と並び、四大大神を祀る神社の一つとして信仰されています。
能義大神とは天穂日命のことで、天照大神の第二子。国譲り神話の中で最初の使者として派遣され、大国主神のもとにきましたが、国を譲るよう説得するうちにオオクニヌシに心が傾き、オオクニヌシの補佐役として出雲に住むようになったと言われます。
社殿は古来は壮大な大社造であったといわれていますが火災で消失したため、毛利氏に代わって出雲を治めた堀尾氏によって再建され、今に至ります。
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古代出雲の国
安来市の荒島エリアには、弥生時代〜古墳時代の墳墓が多数築かれています。そのうち大型の四隅突出型墳丘墓を含む4基の古墳は公園として整備され、総称して「古代出雲王陵の丘」と呼ばれています。
標高約50mの墳丘上からは安来の町並みを眼下に、遠く島根半島や中海が一望できます。島根半島は出雲国風土記に記される「国引き神話」の中で、複数の国を引き寄せてつくられた土地と記され、古墳群からの眺望は古代出雲の神話の世界へ誘ってくれるようです。
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難攻不落の名城 月山富田城
「月山富田城」は、飯梨川右岸にそびえる月山(標高190m)の地形を利用した複郭式の山城です。戦国時代の尼子経久・晴久の時代には山陰と山陽11カ国を支配し、全盛時代を迎えました。菅谷口、御子守口、塩谷口の3つの入口からしか攻められず、巧みな守りの仕掛けで一度も落城しなかったため、難攻不落の名城として知られています。
現在は建物は残っておらず、山中御殿から本丸のある頂上までの石垣が保存されているのみですが、そのドラマチックな歴史的背景や、尼子再興に生涯をかけた山中鹿介の生き様に魅了される歴史ファンも多く、城跡には全国から多くの人が訪れています。1934年に国の史跡に指定され、2006年には「日本の名城100選」にも選ばれています。
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安来の2大パワースポット
安来市のパワースポットといわれる二つの古刹で
運気をアップしよう!
清水寺
1400年の歴史を刻む天台宗の古刹で、古くから「厄払いの寺」として信仰されています。5万坪の境内は桜や紅葉の名所としても知られ、山陰唯一の三重塔(県指定文化財)や根本堂(重要文化財)など多数の文化財が点在しています。
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雲樹寺
後醍醐天皇・後村上天皇の勅願寺で、1322年に名僧「孤峰覚明禅師」により開かれた臨済宗妙心寺派の寺院。開山堂には日本最古の朝鮮鐘(重要文化財)が収められており、美しく手入れされた禅宗庭園「元禄の庭」では、四季折々の風景が楽しめます。
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清水寺と雲樹寺の両参りでご利益アップ!
鬼と天女の福めぐり
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外からの邪気を払う清水寺の鬼大師と、内への幸福を運ぶ雲樹寺の天女。見た目は真逆のような鬼と天女ですが、どちらも幸運を導く存在。両寺院を参ることで良運を引き寄せ、「福」を巡らせましょう。
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清水寺×鬼
世に疫病が流行った時代、人々を守るために僧侶のお大師様が鬼の姿になり、災厄から救ったと云われています。このことから、鬼大師は悪いものが寄ってこないよう、外へ向けて邪気を祓う存在とされています。
※一般的には「角大師」と呼ばれていますが、清水寺では「鬼大師」として親しまれています。 -
雲樹寺×天女
天女は仏教では天上界の女性を指します。雲樹寺で拝観できる朝鮮鐘には、天女奏楽の文様が刻まれており、楽器を奏でることで目に見えぬ真の幸せを音に乗せ、心の内に運ぶ存在として描かれています。
清水といえば…
「100年フード」認定の清水羊羹
鎌倉時代に清水寺より羊羹の製法を伝授されたという由来を持つ清水羊羹。昔から変わらぬ原材料、製法を守り、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化として文化庁から「100年フード」に認定されました。現在は4つのお店で作られており安来のお土産の定番です。