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尼子盛衰記を分かりやすく解説
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尼子盛衰記を分かりやすく解説いいたします!
鉄壁の牙城 月山富田城
尼子氏歴代が本城とし、山陰・山陽制覇の拠点となった月山富田城は、その規模と難攻不落、戦国時代屈指の要害。大内義隆が攻め、毛利元就が攻めたが、力攻めでは落とすことが出来ず、元就との戦いでも結局は兵糧攻めの末に尼子氏が降伏したという事実も記されています。
月山富田城は、出雲国能義郡広瀬に在った山城。富田城が本来の呼称で、月山城と称するのは雅名。飯梨川流域平坦部の頂点に位置する勝目山(192m)の上にあり、北側と南西部を深い谷で隔てられた天然の要害でありました。
毛利の来襲と尼子氏の没落
代々に渡り尼子の勢力を支え続けましたが、永禄八年(1565)四月、お子守口・塩谷口・菅谷口の三面より侵攻を試みた毛利軍の総攻撃により、ついに危機が訪れます。尼子氏はよく防戦し、一旦は毛利勢を押し返しましたが、元就は包囲作戦へと方向転換、翌九年には城中食糧が欠乏し、士気阻喪して投降・自殺者が続出、同年十一月二十一日、ついに尼子義久は毛利氏に降伏して城を明け渡したのであります。ここに経久以来、山陰・山陽に威勢をはった尼子氏は没落。富田城は毛利氏の手に帰したのでした。
尼子氏再興戦
毛利氏の軍門に降り、戦国大名としてその歴史に幕を閉じた尼子軍。籠城の将兵は元就から「武士の亀鏡」とほめられ、それぞれが思い思いに四散するも、河副久盛・立原久綱・山中鹿介・三刀屋蔵人・森脇東市正ら数十人は、尼子三兄弟を杵築まで見送ることが許されたため、そこで主従決別の盃を交します。これが主君尼子義久と尼子家臣らとの永訣であり、そして三兄弟は安芸に護送、鹿介らは望みを将来にかけ、故国出雲をあとにします。
主家没落後、京都に上っていた山中鹿介幸盛、立原源太兵衛尉久綱らは、東福寺にいた新宮党の遺子を還俗させ、「尼子孫四郎勝久」と名乗らせ主将に迎え、永禄十二年(1569)六月、島根半島千酌湾に入り、小競り合いののち上陸、忠山に陣を据えました。勝久の周囲に集まった旧臣は、二百余名。そして尼子再興の機を耳にして集まった面々としては、森脇東市正久仍、目賀田新兵衛尉幸宣、同幸定、河副美作守久盛、多賀兵庫助高信、屋葺右兵衛尉幸堅など約三千人で、その多くは永禄九年の富田開城まで見届けた人々でありました。
尼子軍は新山城に本営を移し、故城の富田城を攻撃しましたが奪回できず、明けて元亀元年(1570)二月、迫り来る毛利軍二万五千を、七千百の兵でもって月山の近くの布部山=要害山に迎え撃ちました。しかし毛利の大軍の前に大敗、尼子十勇士の一人横道兵庫助を失ったのです。ついで、山中鹿介につぐ十勇士の大立物、秋上庵介が毛利に降り、さらに六月三日佐太の勝間城の戦に勝久の側近、三刀屋蔵人や十勇士に名をつらねる上田早苗介までもが討死してしまいました。
元亀二年三月、尼子方高瀬城主米原綱寛は毛利方に城を明け渡し、尼子の本陣新山城に退去。六月十四日、毛利元就が居城の郡山城で七十五歳を一期として没し、それを機に鹿介らの反撃が予想されましたが成功せず、尼子主従は京都に走り、再興の第一戦は結局実を結びませんでした。
尼子氏 完全滅亡
尼子牢人が京都に走ったころ、戦国の舞台は織田信長によって急展開をみせていました。山中鹿介らは、信長の援助を得て因幡国に進出、再興第二戦を画策します。しかし、因幡から伯耆、そして出雲奪回への計画はもろくも崩れ、またも挫折、京都に舞い戻ることとなりました。
尼子再興の第三回戦の舞台は、ところを山陰から山陽に移し、播州上月城が主戦場となります。すなわち、これは信長の先陣で中国征伐の総帥羽柴秀吉と、毛利の総帥毛利輝元を補佐する吉川元春・小早川隆景との一世一代の対決でありました。毛利方の赤松氏が籠る上月城は秀吉軍によって落とされ、代わって尼子勝久・山中鹿介らが羽柴軍の最前線を担い上月城に入ります。しかし上月城は、毛利三万の大軍に包囲されてしまい、秀吉は尼子主従を救おうとして、尼子旧臣で秀吉のもとにいた亀井茲矩(湯新十郎)を上月城中へ潜入させましたが、鹿介らはそれに応ぜず、結局上月城は毛利氏の攻撃の前に落城、勝久は自害してしまうのでした(享年26歳)。ここに出雲の主大名・尼子氏は完全に滅亡したのです。
一方、山中鹿介は降人となり、捉えられ、西へ送られる途中、備中松山城のふもと、高梁川(甲部川)と成羽川の合流点にあたる合の渡において謀殺。天正六年七月十七日、三十四歳の生涯に幕を閉じました。結局鹿介が描いた尼子再興の野望は、2度、3度と試みるも、大軍率いた毛利軍などの手により、もろくも阻まれてしまうのでした。
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安来市観光協会 広報部
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